イベント情報

鉱業博物館特別展

令和4年度 第2回特別展

第2回特別展チラシ
タイトル アラビア女性のおしゃれとおもてなし-化粧とお香、デーツとコーヒー文化-
期  間 令和5年3月23日(木)~5月24日(水)
会  場 鉱業博物館2階特別展示室・1階ホール
主  催 秋田大学大学院国際資源学研究科附属鉱業博物館
協  力 片倉もとこ記念沙漠文化財団、ムスリム世界連盟日本支部、人間文化研究機構「学術知デジタルライブラリの構築」国立民族学博物館拠点(X-DiPLAS)
特別協力 サウジアラビア文化省遺産庁、ワーディ・ファーティマ社会開発センター、キング・ファイサル・センター
付  記 本展示は、日本学術振興会科学研究費基盤研究(A)「中東ムスリム社会との長期現地調査資料の共有による文化遺産の共創と合意形成の研究」(研究代表者:秋田大学大学院国際資源学研究科教授 縄田浩志、令和 3 ~ 5 年度)、また令和 4 年度 年度計画推進経費 秋田大学教育研究プロジェクト経費(連携融合研究)の研究成果に基づいています。
※講演会、試着イベント、ギャラリートークを開催します。詳細はこちらをご覧ください。

 日本の原油輸入先の 9 割近くを占めるのは、中東・アラビア半島の国々です。
 しかし、それらの国々の文化について知る機会はあまりありません。
 そこで、令和 4 ~ 5 年度にかけて連続した2回の特別展として、これまでほとんど日本で紹介されることがなかった現代アラビアの様々な資源について、金属・非金属、無機質・有機質といった素材の利用方法から社会的価値や歴史的な流通、さらにはおしゃれやもてなしといった文化に焦点をあてた展示を企画しました。
 第 2 弾の本特別展「アラビア女性のおしゃれとおもてなし-化粧とお香、デーツとコーヒー文化-」では、アラビア半島に暮らす女性たちのおしゃれを、化粧道具や香炉、またそれに用いられる香料などの素材やその産地から交流の歴史を紹介します。
 また、アラビア半島のおもてなしに欠かせないナツメヤシの果実デーツとアラビア・コーヒーの文化を解説します。
 開催にあたり、サウジアラビアにおける現地調査を許可いただきました機関をはじめ、協力、特別協力を賜りました関係各位に、心からお礼申し上げます。

秋田大学大学院国際資源学研究科 教授 縄田浩志


衣服スマーダ

「未婚女性が外出時に頭から被っていた衣服スマーダ」
(撮影:片倉もとこ、1971-74年、サウジアラビア、ダフ・ザイニー村、KM_5578、©国立民族学博物館)


真赤な花模様など華やかな柄が好まれました。本来は布を織り込み頭の上にのせるものですが、この写真は長さがわかるようにあえて伸ばした状態で撮影されたものです。

コーヒーポット

「コーヒーポット」(片倉もとこ記念沙漠文化財団蔵)


アラビア半島ではコーヒーがよく飲まれ、もてなしにはかかせません。コーヒーポットは、真鍮もしくは銅製で蓋付きのものが一般的です。コーヒーを淹れるには、火をおこし、生豆を煎り、豆を砕き、湯を沸かすところから始めます。煮出す際には、好みに応じてサフラン、クローブ、カルダモン、乾燥ジンジャーといった香辛料のいくつかを同じく粉状にして加えますが、砂糖は入れません。ナツメヤシの果実デーツがコーヒーのお供として食べられます。

携帯用コーヒーカップ入れと陶器製コーヒーカップ

「携帯用コーヒーカップ入れと陶器製コーヒーカップ」(片倉もとこ記念沙漠文化財団蔵)


アラビア半島においてはコーヒー豆の焙煎の度合いは非常に浅く、緑もしくは黄色みがかった小麦色をしています。ラクダなどで長距離移動するときには、コーヒーを作るセットを必ず持参していました。暑い乾燥地では水をそのまま飲むよりも、コーヒー豆を焙煎し粉砕した粉を直に煮出して香辛料入りで飲むほうが、水分を効率的に摂取できるからです。

琥珀のビーズを用いた首飾り

「琥珀のビーズを用いた首飾り」(個人蔵)


琥珀(もしくはその処理品や模造品)製のビーズと銀製の球状のビーズを組み合わせたデザインは「ベドウィン・ジュエリー」としてよく知られています。首飾りの中央に護符の銀製ペンダントが付く場合もあります。琥珀製のビーズはムスリムのお祈りに使われる数珠の素材としても高い価値が置かれています。その理由は、こするとすばらしい香りがするからです。

バラ水用水差し

「バラ水用水差し」(個人蔵)


サウジアラビアでは、客人を迎える際のもてなしとして、この真鍮製の瓶を使って最初に客の手や体にバラ水をふりかけます。首の付け根あたりを回すと頸部が外れ、壺のなかに液体を入れることができます。先端には小孔があいており、使うときに瓶を傾ければ適量の液体が出てくるという構造になっています。

参考文献
・縄田浩志編著『サウジアラビア、オアシスに生きる女性たちの50年-「みられる私」より「みる私」』河出書房新社、2019年。
・縄田浩志「銀と金からみるアラビア衣装」『鉱業博物館だより』第17号、 2~4頁、2020年。


令和4年度 第1回特別展

銀と金からみるアラビア衣装展チラシポスター
タイトル 銀と金からみるアラビア衣装-カラフル、リバイバル、リサイクル
期  間 令和4年10月20日(木)~令和4年12月23日(金)
会  場 鉱業博物館2階特別展示室・1階ホール
主  催 秋田大学大学院国際資源学研究科附属鉱業博物館
協  力 片倉もとこ記念沙漠文化財団、ムスリム世界連盟日本支部
特別協力 サウジアラビア文化省遺産庁、ワーディ・ファーティマ社会開発センター、キング・ファイサル・センター
付  記 本展示は、日本学術振興会科学研究費基盤研究(A)「中東ムスリム社会との長期現地調査資料の共有による文化遺産の共創と合意形成の研究」(研究代表者:秋田大学大学院国際資源学研究科教授 縄田浩志、令和 3 ~ 5 年度)、また令和 4 年度 年度計画推進経費 秋田大学教育研究プロジェクト経費(連携融合研究)の研究成果に基づいています。
※講演会、ワークショップ、試着イベントを開催します。詳細はこちらをご覧ください。
 特別展会期中は、12月の日曜日も開館します。

 日本の原油輸入先の 9 割近くを占めるのは、中東・アラビア半島の国々です。
 しかし、それらの国々の文化について知る機会はあまりありません。
 そこで、令和 4 ~ 5 年度にかけて連続した 2 回の特別展として、これまでほとんど日本で紹介されることがなかった現代アラビアの様々な資源について、金属・非金属、無機質・有機質といった素材の利用方法から社会的価値や歴史的な流通、さらにはおしゃれやもてなしといった文化に焦点をあてた展示を企画しました。
 第 1 弾の本特別展「銀と金からみるアラビア衣装-カラフル、リバイバル、リサイクル」では、アラビア半島、特にサウジアラビア王国の衣服と装身具、すなわち衣装に焦点をあてて、半世紀前に現地で撮影された貴重な写真や文化人類学的な記録をてがかりに、貴金属としての銀や金の文化的、社会的また歴史的価値をつまびらかにしていきます。
 開催にあたり、サウジアラビアにおける現地調査を許可いただきました機関をはじめ、協力、特別協力を賜りました関係各位に、心からお礼申し上げます。

秋田大学大学院国際資源学研究科 教授 縄田浩志


女性用飾面ブルグア

「女性用飾面ブルグア」(片倉もとこ記念沙漠文化財団蔵)


半世紀前のアラビア半島では、女性は顔を覆うための飾面ブルグアを着けていました。ブルグアには銀糸(銀箔を平たく紐状に加工したもの)や金糸(金箔を糸と撚り合わせて紐状に加工したもの)、また銀のコインなど、金銀がふんだんに用いられていました。

銀製指輪

「銀製指輪」(個人蔵)


筒の中に鉛の塊が入っていて音が鳴る銀製指輪。指輪の音を鳴らすことにより、女性が自分の存在を知らせる役割を担っていましたが、現在ではほとんど見られなくなりました。

女性用内着フスターン

「女性用内着フスターン」(個人蔵)


紫地に金糸の刺繍とビーズの装飾が施されたフスターン。裾に向かって広がる形をしている貫頭型の長衣で、主に未婚女性用です。内着として自宅内で常時着用する日常着がフスターンと呼ばれますが、これは外出時にその上に羽織るよそゆきの外着として利用されていた一級品です。

参考文献
・縄田浩志編著『サウジアラビア、オアシスに生きる女性たちの50年:「みられる私」より「みる私」』河出書房新社、181頁、2019年。
・縄田浩志「銀と金からみるアラビア衣装」『鉱業博物館だより』第17号、 2~4頁、2020年。

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